戦争の影に生きる少年—『ペインティッド・バード』の衝撃
戦争の影に生きる少年—『ペインティッド・バード』の衝撃
東欧の想像力が生んだ問題作
イェジー・コシンスキの『ペインティッド・バード』は、戦争の狂気と人間の残酷さを描いた衝撃的な作品だ。第二次世界大戦下、親元を離れた少年が東欧の僻地をさまよいながら、苛酷な暴力や虐待を受ける様子が生々しく描かれている。
物議を醸した作品
本作は発表当初から賛否両論を巻き起こし、ゴーストライター疑惑や盗作疑惑などの論争も絶えなかった。しかし、そのリアリズムと圧倒的な描写力は、今なお読者を惹きつけてやまない。
日本語訳で再び注目
松籟社から刊行された日本語訳版は、旧邦題『異端の鳥』として知られる作品の新訳版である。訳者・西成彦による精緻な翻訳が、原作の持つ緊張感と恐怖を余すことなく伝えている。
読むべき理由
『ペインティッド・バード』は、戦争文学の枠を超え、人間の本質を問う作品だ。戦争の狂気に巻き込まれた少年の視点を通じて、読者は人間の残酷さと希望の光を同時に目撃することになるだろう。
この作品を読むことで、戦争の影に生きる人々の苦しみを知り、歴史の教訓を深く考える機会を得られるはずだ。
重ね岩
本の情報 本のタイトル THE PAINTED BIRD ISBN 978-4879842602 著者 イェジー・コシンスキ 訳者 西成彦 出版社 松籟社 発行年月 2011年08月
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文芸 > 海外文学 > ヨーロッパ文学 > その他