集中治療における急性腎障害（AKI）とクリティカルケア腎臓学の重要性

急性腎障害（Acute Kidney Injury：AKI）は集中治療室（ICU）でしばしば遭遇する深刻な状態です。AKIの発症は患者の予後に大きな影響を与え、適切な管理が不可欠であるため、急性血液浄化療法を含む高度な治療知識は集中治療に携わる医療スタッフにとって必須と言えます。

クリティカルケア腎臓学とは

「クリティカルケア腎臓学（Critical Care Nephrology）」は、1998年にオーストラリアの集中治療医R. Bellomo氏とイタリアの腎臓内科医C. Ronco氏によって提唱された概念です。これはAKIを含む多様な腎疾患を有する重症患者に対し、多職種が連携して集学的に診療を行う新しいアプローチを示しています。

ICUでのAKI診療の現状と展望

これまでICUにおけるAKI治療は主に集中治療医と腎臓内科医によって支えられてきましたが、どちらが主導権を握るかは問題ではありません。重要なのは両者の専門性を生かし、互いに理解を深めたうえで協働することにあります。

2009年と2010年にIntensivist誌で特集されたAKIおよび持続的腎代替療法（CRRT）から10年以上が経過し、今回の特集では最新の治療知識のアップデートとあわせて、変わらぬ基礎知識を丁寧に解説。これ一冊でクリティカルケア腎臓学に必要な知見を網羅できる内容となっています。

誰もが押さえておくべきポイント

• AKIの早期発見と適切な管理手法
• 急性血液浄化療法（CRRT）の最新動向
• 多職種連携による患者中心のチーム医療

ICUでのAKI診療にかかわる全スタッフにぜひ読んでいただきたい特集です。

臨床集中治療医学

急性腎障害の治療 - Critical Care Nephrology 急性腎障害 (AKI) は集中治療室 (ICU) でよく見られる疾患であり、AKI を含む多様な腎疾患を扱うには、特別な知識とスキルが必要です。 Critical Care Nephrology の概念 「Critical Care Nephrology」は、1998 年にオーストラリアの集中治療医 (Intensivist) R.Bellomo とイタリアの腎臓内科医 (Nephrologist) C.Ronco が提唱した概念です。Critical Care Nephrology は、AKI を含む重症患者に対する、両方の分野を融合させたアプローチを目指しています。 AKI 診療の重要性 ICU で AKI を診療するには、集中治療医と腎臓内科医が協力することが重要です。どちらの医療者が主導権を握るかではなく、両者の強みを理解し協力することが肝心です。 Intensivist の特集記事 Intensivist誌では、2009 年に AKI を、2010 年に CRRT (連続膜透析) を特集テーマに取り上げました。10 年以上が経過し、そこから学びを得て、現代の知識とスキルを強化することが目標です。 Critical Care Nephrology の特集記事 以下の内容を網羅し、誰もが知っておくべき基礎知識を改めて解説します。

AKI の定義と診断 AKI の原因とリスク因子 CRRT の原理と実践 症状に応じた治療戦略 受動浄化療法と主動浄化療法の比較

この特集記事は、集中治療室で AKI を治療するスタッフに役立つよう、多角的なアプローチを取っています。