絵地図が語る世界像の変遷—『絵地図の世界像』を読み解く

絵地図に込められた世界観

『絵地図の世界像』は、応地利明氏による歴史地理学の視点から、古地図に描かれた世界像の変遷を探る一冊です。本書では、中世の日本図に登場する架空の陸地「羅刹国」や「雁道」、仏教的世界観を反映した地図などを取り上げ、それらがどのように人々の世界認識に影響を与えたのかを考察しています。

中世から近代へ—変わりゆく世界像

本書では、前近代の世界観がどのように形成され、変容し、そして消失していったのかを詳細に分析しています。例えば、仏教的世界図においては、天竺や震旦と並んで日本が「三国」の一つとして描かれるようになり、さらに近代に向けて地理的知識の交流と蓄積が進むことで、より現代的な世界像へと変化していきました。

絵地図を通じて歴史を読み解く

本書は単なる地図の解説書ではなく、絵地図を通じて歴史的な世界観の変遷を読み解く試みです。地図には、それを作成した時代の人々の思想や信仰が刻まれており、それを紐解くことで、当時の社会や文化のあり方を知ることができます。

まとめ

『絵地図の世界像』は、歴史や地理に興味がある人にとって、非常に魅力的な一冊です。古地図に込められたメッセージを読み解きながら、世界認識の変遷を探る旅に出てみませんか？

偽の旅行文の読み手

本の情報 ISBN 9784004304807 著者 応地利明 出版社 岩波書店 発売日 1996年12月 サイズ 229P18cm 判 新書・選書≫教養[岩波新書] 番号 エチズノセカイゾウイワナミシンシヨシンアカバン480 番号 岩波新書新赤版480 登録日 2013/04/08