仏教は科学なのか？哲学者エヴァン・トンプソンの挑戦

仏教と科学の関係を問い直す

仏教は「心の科学」として語られることが多い。しかし、哲学者エヴァン・トンプソンはこの考えに異議を唱える。本書『仏教は科学なのか 私が仏教徒ではない理由』では、仏教モダニズムの概念を批判し、仏教が科学とどのように関係するのかを深く掘り下げている。

仏教モダニズムとは？

仏教モダニズムとは、伝統的な仏教の形而上学的要素を排除し、合理的で経験的なものとして仏教を捉える考え方だ。西洋では特にこの視点が広まり、「仏教は最も科学に親和的な宗教である」と語られることが多い。しかし、トンプソンはこれを「仏教例外主義」と呼び、誤った認識だと指摘する。

科学・哲学・宗教の交差点

本書では、仏教の「悟り」や「無我」の概念が現代の認知科学や哲学とどのように関係するのかを探求する。仏教の教義は脳科学によって解明できるのか？仏教の「無我」は哲学的にどのように解釈されるべきなのか？

まとめ

エヴァン・トンプソンの『仏教は科学なのか 私が仏教徒ではない理由』は、仏教と科学の関係を再考するための重要な一冊だ。仏教を単なる「心の科学」として捉えるのではなく、その哲学的・宗教的側面を深く理解することが求められる。

仏教の理論は、科学的に正しいのかも知れない。でも、私が仏教徒ではないのは、科学というものは私が考え出したものではなくて、人によって考えが変わるからです。

本情報 本のタイトル 原タイトル：Why I Am Not A Buddhist 著者情報 著：エヴァン・トンプソン 監訳：藤田一照、下西風澄 訳：護山真也 出版情報 出版社：Evolving 出版年月：2024年11月 サイズ：309P20cm カテゴリー 人文≫宗教・仏教[仏教その他]