伝説の寄席カメラマンが捉えた志ん生の素顔
伝説の寄席カメラマンが捉えた志ん生の素顔
落語界の巨星・古今亭志ん生。その独特の語り口と人間味あふれる芸風は、今なお多くの人々を魅了している。しかし、彼の写真を撮ることは容易ではなかった。なぜなら、志ん生は「写真を撮ると早死にする」と信じていたからだ。
そんな志ん生の素顔を捉えたのが、寄席カメラマンの元祖とも言える金子桂三である。彼は昭和三十年代の人形町末広亭を舞台に、志ん生をはじめとする名人たちの姿を記録し続けた。その貴重な写真とともに、撮影の裏話や寄席文化の黄金期を振り返るのが本書『志ん生を撮った! 元祖寄席カメラマン秘話』だ。
写真嫌いの志ん生をどう撮ったのか?
金子桂三は、頑固な志ん生を説得し、ついにシャッターを切ることに成功した。その過程には、粘り強い交渉と、志ん生の信頼を得るための努力があったという。本書では、その秘話が詳細に語られている。
黄金期の寄席を再現
本書には、志ん生だけでなく、八代目桂文楽、六代目三遊亭円生、八代目林家正蔵(彦六)など、落語界の名人たちの姿も収められている。彼らの在りし日の姿を通じて、寄席文化の黄金期を追体験できるのも本書の魅力の一つだ。
写真と芸人論の融合
金子桂三は、単なる写真家ではなく、優れた芸人論を持つ人物でもあった。本書では、彼の視点から見た落語家たちの魅力や、当時のフォトジャーナリズム界に新風を吹き込んだ写真論も語られている。
『志ん生を撮った! 元祖寄席カメラマン秘話』は、落語ファンはもちろん、写真や芸能文化に興味のある人々にとっても必読の一冊である。志ん生の素顔を捉えた貴重な記録を、ぜひ手に取ってみてほしい。
世界 …(写真.attributes)志ん生を撮った!満月×幻の先駆者・満月グループの顛末
ISBN:978-490-1174-15-2 金子 梅三 著 出版社:うなぎ書房 出版年月:2004 年03月 サイズ:222P19cm 芸術≫芸能 [落語] シンシヨウ・オト・ツガン・ソヨセ カメラマン:ヒワ