「大国中国」の崩壊とは何か?マーシャル・ミッションからアジア冷戦への歴史的転換点を読み解く
「大国中国」の崩壊――マーシャル・ミッションからアジア冷戦へ
戦後中国の激動を追う歴史の一冊
松村史紀氏の著作『「大国中国」の崩壊 マーシャル・ミッションからアジア冷戦へ』(勁草書房、2011年)は、戦後中国の政治的混乱とその後のアジア地域の冷戦構造形成を詳細に分析しています。319ページにわたる本書は、単なる歴史解説にとどまらず、現代中国の成り立ちを深く理解するうえで重要な視点を提供します。
マーシャル・ミッションとは?
第二次世界大戦後、アメリカのジョージ・マーシャル国務長官が派遣した和平調停団の「マーシャル・ミッション」は、中国国共内戦の停戦と新政府樹立を目指しました。しかし、この試みは失敗に終わり、中国は内戦を経て共産党政権の成立へと突き進みます。
本書はこの歴史的局面を起点に、なぜ和平は崩れ、中国は「大国」としての地位を揺るがす崩壊過程を辿ったのかを詳細に検証します。
アジア冷戦の始まり
マーシャル・ミッション失敗後の中国の動向は、アジア全域の安全保障と政治情勢に大きな影響を与えました。冷戦の緊張が東アジアに波及し、米中関係、ソ連の対中政策、そして地域の紛争構造を形成していきます。
松村氏はこれらの複雑な国際関係を一冊に凝縮し、「大国中国」が崩壊した意味を戦後アジアの文脈で読み解く貴重な研究となっています。
現代中国研究に必須の資料
本書は「現代中国地域研究叢書」の一冊として、専門家だけでなく中国の歴史や国際政治に関心のある読者にもおすすめです。過去の歴史的失敗と成功の背景を踏まえ、現代の中国の国際的立ち位置を考えるうえで、深い洞察を与えてくれます。
書籍情報
- 著者:松村史紀
- 出版社:勁草書房
- 発売日:2011年12月
- ページ数:319ページ
中国の歴史的転換点とそれがもたらしたアジアの冷戦構造を理解したい方は必見の一冊です。
大国の自由奔放な時代にの終焉
本 numelanth 本の情報
ISBN: 9784326348923 著者: 松村 紀 出版社: 勁草書房 発売年月: 2011年12月 大きさ: A5判 -ジャンル: 社会≫政治[国際政治] タイトル: タイコクチユウゴクノホウカイマ-シヤルミツシヨンカラアジアレイセンエゲンダイチユウゴクチイキケンキユウソウシヨ2 作品名:現代中国地域研究叢書2 登録日: 2013/04/06