詩と人生が交差する瞬間——今橋愛『O脚の膝』

現代短歌クラシックスの珠玉の一冊

今橋愛の歌集『O脚の膝』は、2003年に刊行された第一歌集を新装版として復刊した作品である。短歌という限られた言葉の中に、人生の機微や感情の揺らぎを巧みに織り込む今橋の世界観は、多くの読者の心を捉えて離さない。

日常の断片を詩に昇華

本作には、電子版のみで流通していた第二歌集『星か花を』の66首も併せて収録されている。例えば、

「水菜買いにきた」三時間高速を飛ばしてこのへやに みずな かいに。

この一首には、何気ない日常の行動が詩的な視点で切り取られ、独特の情感が漂う。今橋の短歌は、日常の風景を新たな視点で捉え直す力を持っている。

短歌の魅力を再発見

『O脚の膝』は、現代短歌の魅力を存分に味わえる一冊であり、短歌に馴染みのない読者にも新たな発見をもたらすだろう。詩の力で心を揺さぶるこの作品を、ぜひ手に取ってみてほしい。

書籍情報

• 著者: 今橋愛
• 出版社: 書肆侃侃房
• ページ数: 208ページ
• ISBN: 978-4-86385-465-9
• 発売日: 2021年6月

Ｏ脚の膝

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