6歳のスパイ容疑者が見た沖縄戦―久米島の戦争を記録する貴重な証言

2021年1月にインパクト出版会から刊行された『沖縄戦久米島の戦争 私は6歳のスパイ容疑者本』は、戦争の影に隠れた久米島の凄惨な歴史を赤裸々に綴った一冊です。

戦争の影響下で生き抜いた幼い証人

本書は、久米島で幼少期を過ごした「6歳のスパイ容疑者」の視点から戦争の様相を描きます。子どもの純粋さと同時に、戦況に巻き込まれた複雑な心理が浮き彫りにされ、従来の戦争記録とは異なる生々しい現実が語られています。

久米島の戦争史を記録する会による貴重なまとめ

編者である「久米島の戦争を記録する会」が地域の証言をまとめ、246ページにわたって久米島での戦争体験を詳細に記録。この本は戦争史としての価値はもちろん、地域史や戦争の記憶を後世に伝える役割を担っています。

なぜ『6歳のスパイ容疑者』というのか？

タイトルにある「6歳のスパイ容疑者」とは、当時の子どもが敵味方双方に疑われ、監視や取調べの対象になった実態を象徴しています。この言葉が示すのは、子どもであっても戦争の渦中で疑念と恐怖にさらされた事実です。

戦争の記憶を風化させないために

現在でも沖縄戦の語り継ぎは重要な課題です。本書は、まだあまり知られていない久米島の戦争体験に光を当て、戦争の悲惨さと子どもたちの苦悩を生々しく伝える貴重な資料となっています。沖縄戦を多角的に理解したい方に、ぜひ手に取っていただきたい一冊です。

本の情報 ISBN:978-4755430060 著者:久米島の戦争を記録する会 発行:インパクト出版会 発行年月:2021年01月 サイズ:246P 21cm カテゴリ:人文≫日本史[戦争史] 書籍内容 オキナワ センメジマの戦争 クメジマの戦争 ワタクシの戦争 ロクサイノスパイ ヨウギシヤの戦争 ナンヨウブンコの戦争 なんよう文庫