『新・全訳須恵村』—戦前日本の村社会を解き明かす名著
『新・全訳須恵村』—戦前日本の村社会を解き明かす名著
戦前日本の村社会を記録した貴重な研究
1935年、アメリカの社会人類学者ジョン・F・エンブリーは、熊本県須恵村(現在のあさぎり町)に滞在し、約1年間にわたる詳細な調査を行いました。その成果として1939年に出版された『Suye Mura: A Japanese Village』は、戦前の日本の村社会を克明に記録した貴重な研究書として、英語圏で高く評価されました。
80年の時を経て、待望の完全邦訳版が登場
本書は、戦前の日本の農村社会に関する唯一の外国人研究者による詳細な記録であり、ルース・ベネディクトの『菊と刀』にも影響を与えた重要な資料です。しかし、これまで日本語では部分的な翻訳しか存在せず、全容を知ることが困難でした。
2021年5月、農山漁村文化協会より『新・全訳須恵村 日本の村』として完全邦訳版が刊行されました。翻訳を担当した田中一彦氏は、原著のニュアンスを忠実に再現しつつ、日本の読者にとって理解しやすい形でまとめています。
須恵村の社会構造と文化
本書では、須恵村の社会構造や文化が詳細に描かれています。
- 協同活動「かったり」: 村人同士が助け合いながら農作業を行う仕組み。
- 世話役「主どおり」: 村の自治を支える役割。
- 家族構造と教育: 家族のあり方や子供の教育方法。
- 宗教と祭事: 神道や仏教の信仰、村の祭り。
これらの要素を通じて、戦前の日本の村社会がどのように機能していたのかを知ることができます。
日本の民俗学・社会学研究における重要な一冊
『新・全訳須恵村』は、日本の民俗学や社会学を学ぶ上で欠かせない一冊です。戦前の日本の村社会を知ることで、現代の日本社会のルーツを探る手がかりとなるでしょう。
書籍情報
- タイトル: 新・全訳須恵村 日本の村
- 著者: ジョン・F・エンブリー
- 訳者: 田中一彦
- 出版社: 農山漁村文化協会
- 出版年月: 2021年5月
- ISBN: 9784540201578
戦前の日本の村社会に興味がある方は、ぜひ手に取ってみてください。
新・全訳 須恵村:日本の村の真実
# 書籍紹介: 『スエムラ 日本の村』
概要
- 著者: ジョン・F・エンブリー
- 訳者: 田中一彦
- 出版社: 農山漁村文化協会
- 出版年月: 2021年5月
- ISBN: 9784540201578
- ページ数: 429ページ
- サイズ: 19cm
- ジャンル: 人文 ≫ 文化・民俗 [民俗学]
- 原タイトル: Suye Mura
内容紹介
『スエムラ 日本の村』は、アメリカの人類学者ジョン・F・エンブリーによる、日本の村落文化に関する深い洞察を提供する一冊です。著者は、特定の村を舞台に、地域の人々の生活様式や伝統、信仰、社会構造を詳細に描写しています。
この本は、単なる民俗学の研究書にとどまらず、村の人々の生き様や彼らが抱える問題、そしてそれに対する解決策を探る旅でもあります。エンブリーは、村の人々との対話を通じて、彼らの視点から日本の文化を理解しようと試みています。
目次の一部
- 村の歴史とその変遷
- 地域社会の構造
- 伝統行事とその意義
- 現代における村の課題
読者へのメッセージ
この本は、民俗学に興味がある方はもちろん、日本の文化や地域社会に関心を持つすべての人にとって、貴重な資料となるでしょう。エンブリーの鋭い観察力と豊かな表現力によって、読者は日本の村の魅力に引き込まれることでしょう。
ぜひ手に取って、村の人々の物語を通じて、日本の文化の奥深さを感じてみてください。