上質なベビーファッション

闇に潜む怪物たち――西洋絵画の裏側を覗く

闇に潜む怪物たち――西洋絵画の裏側を覗く

怪物――それは恐怖と想像力が交差する存在だ。神話や伝承、宗教的な寓意の中で繰り返し登場する怪物たちは、西洋絵画の世界でも重要な役割を果たしてきた。山田五郎氏の『闇の西洋絵画史 3 怪物』は、単なる恐怖の象徴としてではなく、時代の価値観や人々の無意識に潜む恐れを映し出す鏡として怪物を捉える。

画布の中に潜む怪物たち

西洋絵画には、多くの怪物が描かれている。例えばヒエロニムス・ボスの『快楽の園』では、奇怪な生物が戯れ、幻想的な世界観が広がる。また、フランシス・ゴヤの『我が子を食らうサトゥルヌス』は、人間の本能的な恐怖を刺激する衝撃的な作品だ。

怪物とは、人間が理性では説明できないものに直面したときに生まれる象徴であり、それらを描くことで画家たちは恐怖、不安、そして時代の価値観を絵画に刻んできた。

怪物は時代の映し鏡

怪物の描写は、時代によって変化してきた。中世の宗教画では怪物は悪魔の象徴として描かれ、啓蒙時代には怪物の背後にある科学的な探究心が強調される。さらに、現代の美術では怪物は社会的な問題や心理的な葛藤を象徴する存在として再解釈されることが多い。

本書では、歴史的な視点から怪物のイメージがどのように形成され、変化してきたのかを丁寧に解説している。単なる「恐ろしい存在」としてではなく、時代とともに意味を変えてきた怪物を、芸術というフィルターを通して考察することで、西洋絵画の奥深さをより理解できるだろう。

怪物から見える世界

怪物という存在は、人間が持つ根源的な恐怖だけでなく、時代の変遷や価値観の変化を映し出すものだ。『闇の西洋絵画史 3 怪物』を通じて、絵画の中の怪物たちがどのような意味を持っているのかを知れば、芸術の見方が一層深まることだろう。

この本を手に取り、怪物たちが語る「闇の物語」に耳を傾けてみてはいかがだろうか?


闇の西洋絵画史 その第3章 五色の怪物と愉悦の世界

重要 本商品は委託品となり、取次店から直接手配となります。当店のお買い物ガイド(販売条件・支払い方法・送料について)をよくご確認の上、ご注文下さいますようお願い致します。 ISBN:978-4-422-70133-2 タイトル:闇の西洋絵画史3怪物山田五郎/著 ふりがな:やみのせいようかいがし33あるけみすとそうしこばいぶつ 著者名:山田五郎/著 出版社:創元社 出版年月:202103